人気ないなー、このアルバム。個人的にはANNIHILATORの最高傑作!と断言したくなるぐらい気に入っているんだけど・・・。 快作「CRITERIA FOR A BLACK WIDOW」で、それまでの迷いを断ち切り完全復活を遂げたANNIHILATORが、'01年に発表した8thアルバム。 「CRITERIA~」でバンドに電撃復帰を果たしたランディ・ランペイジが、案の定、アルバム1枚きりで脱退(というか解雇)、本作からは、その後任として元OVERKILLのジョー・コミューが参加しているのだが、これがアグレッシブなシャウトから、ロブ・ハルフォードばりのスクリーム、更にはブルース・ディッキンソン風の雄々しい歌唱まで幅広くこなせる、二代目フロントマン コバーン・ファー以来の逸材。 「歌える」Voの加入効果か、楽曲の方も意図的に激しさ/複雑さが前面に押し出されていた前作に対し、今回はリフにしろ、メロディにしろ、ツインGの絡みしろ非常にキャッチー。曲展開も必要最低限に整理され、ある意味、正統派へヴィ・メタル的とも言える仕上がりをみせる。ここ暫くは封印されていた、バンド初期の必殺技「ここぞという箇所でのアルペジオ」が効果的にフィーチュアされているのも、その印象を強めている一因かな? 結果として、スラッシーな雰囲気は若干後退したものの(勿論③⑩のような高速スラッシュ・チューンも収録しているが)、シャープに疾走する①“DENIED"、へヴィな曲調と哀愁を帯びたVoハーモニーの対比が美しい④“CARNIVAL DIABLOS"、ジョー・コミューのダイナミックな歌唱が劇的な盛り上がりを演出する⑥“TIMEBOMB"、そして全てを兼ね備えた名曲中の名曲⑨“EPIC OF WAR"といったハイクオリティな収録曲の前には、そんなことは枝葉末節。 中期以降のANNIHILATORの何たるかが知りたければ、まず本作を聴くことをお薦めさせていただきまうす。