'91年発表の17thにして、個人的に初めて購入したURIAH HEEPのアルバム。(我ながら、よりにもよって何でこれを最初に買う?って感じですが) 次作『SEA OF LIGHT』のように“AGAINST THE ODDS”クラスの名曲が収録されているわけじゃなく、また当時はパワー/スラッシュ・メタルに入れ込んでいた事もあり、本作に初めて触れた時は、ゆったりとしたテンポの楽曲が大半を占めるポップな作風に、「ヌルイ内容だなぁ」と余り良い印象を持った記憶がないのだけれど、URIAH HEEPに本格的にハマリ、「彼らのアルバムに駄作なし!」を旨とする現在では、当然このアルバムに対する評価も大きく異なる。 まぁ例えファンであっても、それなりに過保護な気持ちで接する必要がある作品なのは事実なれど、ミック・ボックスが速弾きの腕前を披露し、“勇者の血”なる邦題が付けられたOPナンバー①は、試作版“AGAINST THE ODDS”的な味わいも感じられる名曲だし、コーラスに子供合唱団が参加した美しくもポップな③、キャッチーなサビメロが秀逸な④、ミックの渋いGプレイが光る⑩辺りも、思わず「おっ」と耳惹かれる佳曲だ。 70年代の作品群のような緊張感やドラマ性は希薄だが、気の合った仲間達と演りたい音楽を演りたいように演ってる、リラックスした雰囲気が心地良い1枚。後半にもう1曲①みたいなハードな楽曲があれば、全体がもう少し締まったようにも思うが。