まだメタルを聴き始めて1年ほどだった頃に購入した2枚組みライヴ盤。 何故これを選んだかと言うと、当然B!誌の絶賛で、であります。「MANOWARこそ"聴けばメタル、観ればメタル"というバンド」「MANOWARのベスト選曲ライヴ」ということなのでまだまだ知識の足りない頃の俺にとっては「メタラーとして聴かねば!!」と思った次第。 そんなこんなで聴いてみると……あれれ?速くない。テンポが速い曲が2曲(『WHEELS OF FIRE』と『BLACK WIND FIRE AND STEEL』)しか入ってないよ~、と嘆いたもんです。アップ・テンポの曲なら少なくないんですが…。そう、当時はまだ速い曲を求めてたんですよねぇ。速さに身を任せて興奮したかったんです。まだまだ青かった時代です。(笑) というわけで、聴き始めはあまり良い印象ではなかったんですが、色んなメタル、引いては色んな音楽に触れ、テンポへの拘りなど何処へやら(笑)、勿論このライヴ盤、楽しんでます! 数多くのツアーをこなすライヴ・バンドMANOWAR、そのショーを毎晩毎晩レコーディングし、その音源をディマイオ閣下がB!誌の連載を休んでまで吟味されたパフォーマンスの数々はまさしく"ライヴ"であり、ほとばしる汗がスピーカーを通してリスナーに降りかかって来るよう。(いや、それは勘弁して欲しい) 特にMANOWARに加入する際、過去の自分と決別するため(だったっけ?)にそれまで自分が使っていたドラム・キットに火を放ったという、なんとも"サムライ・ウォリアー"なライノ、をさっさと切り捨て、病気の息子(ムスコではなく、彼の本当の息子です。人間です)のためにバンドを離れていたが、無事元の鞘に戻ったスコット・コロンバスの大地を揺るがすラウドなドラミングは圧巻!!マジでスピーカーがブッ壊れるんじゃねかと心配になるよ。うちのは安物だから。 カール・ローガンのギターソロ・タイムを丸ごと収録され、驚速ピッキングに驚かされる。しかも、意外にクラシカルな旋律もあったりする。 閣下もアピール度は非常に高く、ただでさえ自己主張の強いベース・サウンドなのに、ピアノ・ソロまであるんだからね。このアグレッシヴな攻めと繊細さの合間に"漢"を見てとれますよ、マジで。 エリック・アダムスのシアトリカルとさえ形容したくなる歌唱は素晴らしく、疾走曲もノリの良い曲もバラードも、それぞれに合わせた歌唱で感動的。特にバラード『COURAGE』での"男の優しさ"溢れる歌唱にはもうアレですよ、アレ。うん、凄いの。 バンドが持つ、ファンへの"敬意"とすら採れるトラックも収録。彼らはメタルを愛し、メタルを愛する人を愛すんだなぁ、としみじみ。だから世界中のメタラーの間で(日本ではそうでもないのかも知んないけどね!)愛されてるんだなぁ、としみじみ。 とにかく、メタラーなら『HAIL AND KILL』を聴いて汗と涙を流せ!!と。 おうおう、「聴けばいいだけのアルバム」について語りすぎてしまった。俺の悪いクセだ。(笑)「思いついたの全部書く」みたいな。ま、いっか。 そう、「聴けばいい」んです。ただ聴いていれば自ずと貴方もMAN OF WAR化現象に巻き込まれ、手首を掴みSign Of Hammerを掲げていることでしょう!俺も……掲げたってことにしといて下さい。 あ、こんなアルバムにもひとつ不満が!!ライヴの写真が色々と載ってるんだけど、ステージ上でオナゴなおっぱいポロリしてる写真、もっと高画質で載せられなかったかなぁ…。(笑)顔もわかんねぇし…。 ……ん?あ、ごめん、なんでもないや…。
このアルバムは購入までかなり躊躇してました。音源が一曲ごとに違う会場のものなので、Emperorの『Emperial Live Celemony』みたいに一曲ぶつ切れ状態になってないかというのが不安要素だったからです。 結論から言うと、心配無用です。一会場で録音したかのようにきちんと繋がってます。 そして映像がなくとも伝わってくる、ただならぬ熱気とパワーがあります。ボーカルは言わずもがなですが、ベースの出しゃばり度合いは流石ディマイオ閣下と言うべきか。 ただ、上でも仰っているように「Hail and Kill」にはオーディエンスの叫びが欲しかったですね。エリックもそのパートは囁いているだけだったし。 ともあれ、Manowarはライヴに強い、いやむしろライヴの熱さを体現するに相応しいと感じさせる一枚です。