このアルバムはクレイドルの作品の中で最も大仰なCDだと思う。 「MIDIAN」「BITTER SUITE TO SUCCUBI」などで見られた教会のパイプオルガンなどを想起させるキーボードの音色は今回はあまり前面に出てきていないけれど、その代わり今回はブダペストフィルムオーケストラという生のオーケストラが作品を絢爛に彩っている。特に4つのインストではそれが顕著で、まるでクラシック音楽のようなサウンドになっている。このオーケストラを採用した理由はDani曰く、「ブダペストのオーケストラはスラヴ民族の香りがし、このアルバムの内容にあうと思ったからだ」だそうだ。 今回は日本語訳も分かり易く書かれていて、曲を聴きながらストーリーを追いかけていけるのが嬉しい。個人的にはアルバムにおける第2章「PARADISE LOST」が最も緊張感があり素晴らしいと思う。 ただ曲数が多いのと、「MIDIAN」などに較べてそんなにキャッチーさが無いと思うので一番初めに買うCDとしてはちょっとツライところもあるかな…と思う。