Heepにとって2作目にあたる本作は、ともすれば次作のLook at Yourselfのプロローグ的意味合いで評価されがちである。それはタイトル曲のSalisbulyの実験的オーケストレーション等が次作に於けるJuly Morningの布石(実際のところはどーだったか?)として認知され、またアルバムセールスに平行し、Heepが世間的に認知されはじめる切っ掛けになったのも次作からなので、それはいたしかた無いのかも知れない。しかしこのアルバムの重要性、又意味合いは全く別の所にある。曲のクレジットに注目すると、アルバム全曲にHensleyの記載がある。オリジナルメンバーとしてファーストアルバムから係わっている以上前作Very eave very umbleに彼のクレジットが無いほうが不思議だが、ともあれHensleyはこの作品からHeepのメインライターとなるわけだ。中でもA面2曲目のThe Park、とA面ラストのLedy in Blackは初期のHeepを語る上で忘れてはならない作品と言える。The Parkのアレンジ、ボーカル、詩、メロディーの全てが調和された美しさ、Ledy in Black の音楽による情景描写の巧みさは、以降ラウドなバンドとして解釈されがちなHeepのもう一方の重要なバンドオリジナリティーの構成要素となってゆく。Hensleyが脱退してもうかなりの年月がたったHeepが、アンコール等でLedy in Blackを演奏していた放送を見た事が有る。この曲がどういう経緯でライブのレパートリーとなったのかはともかく、そのセンスの良さには敬意を表さざるをおえまい。
もっと多くの人に聴いて欲しい、ヒープ初期の大傑作アルバムだ!!! 何故、このアルバムの評価が不当に低いのかが不思議でたまらない。 イントロの「Bird Of Prey」のハードさ、重厚さに始まって、「The Park」の不思議な哀愁、「Time To Live」でのデビッドの絶叫、「Lady In Black」は言うまでもなく多くの人が名曲と絶賛しているし、 「尼僧」のキャッチーでポップなメロディ・ライン、そしてタイトルチューンの壮大さ!!! 全ての曲が名曲で、文句の付けようが無い。