期待感を持たせるような始まりから、Arena of Pleasure, Chainsaw Charlie, Doctor Rockterといった名曲の嵐。 The Idolを経て大曲のラストナンバーを迎えるその構成は見事。 曲調は正統派のヘヴィ・メタルにも通じる、激情のメロディ、ドラマチックな展開、鋼鉄のリフワーク、 HR/HMに期待される全ての要素をパーフェクトに備えている。 聴く者を圧倒する緊張感、グイグイ引き込む説得力、だみ声ボーカル、 そしてブラッキーのコンセプトがアルバムに統一感を持たせる、傑作アルバム。
楽曲のパターンは似通っているし、やたらと手数の多いドラムも気になる人はいるだろう。 それでも"名盤"との評価を受けているのは結局、総合的なクオリティが高い為である。 架空のロック・スターが絶望への道を歩む、ブラッキー・ローレスのラフな声も物語の悲壮感に拍車をかける。 "I just wanna be the crimson idol"から"I don't wanna be the crimson idol"へと望みが変わってゆく主人公ジョナサンの姿はブラッキーであり、またアルバムを聴いているリスナーでもあるのだ。