1988年7月5日、Def Jam Recordingsよりリリースされた4thアルバム。
前作『Reign in Blood』(1986年)をバンドと共同プロデュースしたRick Rubinが、Def Jamを離れて新レーベルのDef American Recordings(後のAmerican Recordings)を設立したのに伴い、Slayerも同レーベルに移籍した。Rick Rubinは、前作に引き続き本作のプロデュースも務めている。
音楽的には、前3作とは違ってスロー・テンポやミドル・テンポの楽曲が増えており、これに関してJeffは「『Reign in Blood』を越えることができないのは分かっていた。だから曲のスピードを落としたんだ。リリースしたアルバムが皆『Reign〜』と比べられることが分かっていたからね。奇妙なことだった。この前にも後にも、こんなことは無いよ」と語っている。一方、Kerryは「最も活気の無いアルバムだ」と評している。
またこのことはファンや評論家から様々な反響を呼んだが、アルバムは当時最も商業的に成功し、ビルボードチャートで初登場57位(200位中)を記録、また彼等の2枚目のゴールドディスク授賞作品となった。Alex Hendersonは、allmusic.comにおいて「Slayerはこの4作目で、ヘヴィネスを微塵たりとも犠牲にせず、ポップな要素を取り入れることもなく、テンポを遅くするようになった」と評している。また、ボーカリストのTom Arayaは、映画『Less Than Zero』(1988年公開)のサウンドトラックに提供した「In-A-Gadda-Da-Vida」(Iron Butterflyのカヴァー)で、叫ぶだけでなく歌詞を重視したボーカル・スタイルに変化しており、本作でもそうした歌唱が披露された。ただし、こうした変化のため発表当時は物議を醸し、日本の音楽雑誌でも否定的なレビューが掲載される例もあったという。
同年8月12日、ロサンゼルスのハリウッド・パラディウムでの公演と8月31日・ニューヨークのフェルト・フォーラムでの公演において、プロモーターがチケットを売り過ぎたことが原因で観客の暴動が発生。同会場での演奏が禁止されるという伝説を残している。
Recorded:December 1987 – February 1988, Hit City West, Los Angeles and Chung King, New York City
Producer:Slayer, Rick Rubin