本作を最高傑作という人が結構いるのには毎度驚かされます。意味合いこそ違いますが、「FIGHTING THE WORLD」同様異質な作品なのに。おそらくコンパクトだから聴き易く、受け入れ易いんでしょうね。 本作「LOUDER THAN HELL」は、MANOWARの最大の特徴である「大仰さ」が影を潜め、コンパクトで分かり易い楽曲が収録されています。前作では超大作を作ったから、今回はコンパクト路線で行こう、と多分こういうことだと思います。 最大にして孤高の魅力だった「ドラマ性」が減ってしまい個人的に残念ではありますが、曲のレベルは相変わらず高品質。捨て曲なんて一切ナシ。弾丸のようにスピーカーから飛び出す超攻撃的なサウンドはまさに「LOUDER THAN HELL」。メタル以外の何物でもありません。 個人的に大好きなのは、従来通りのドラマティックさを見せ付けてくれる「KING」と「TODAY IS A GOOD DAY TO DIE」。 「KINGS OF METAL」同様、初心者には打って付けのアルバムです。
オリジナル・メンバーの1人であり、生粋のロックンローラーだったロス・ザ・ボス(G)が6th『KINGS OF METAL』を最後にバンドを去って以来、ジョーイ・ディマイオ(B)の妥協を許さぬ完璧主義者っぷりに歯止めを掛けられる存在がいなくなったのか、アルバムのリリース・ペースがオリンピック級の気の長さになってしまったMANOWAR、'96年発表の8thアルバム。 前作『THE TRIUMPH OF STEEL』から参加したデイヴィッド・シャンケル(G)とライノ(Ds)が早くも脱退し、新Gとしてカール・ローガンが加入。Dsの座には前任のスコット・コロンバスが出戻るという慌しい人事異動を経て完成をみた本作だが、大勢には全く影響なし。いや、寧ろやや力み過ぎの感があった『THE TRIUMPH~』を軽く凌駕する内容に仕上がっているような・・・。 前作は、30分に及ぼうかという組曲“ACHILLES,AGONY AND ECSTASY"を筆頭に、気合の入った大作がズラリと並んでいたものの、メロディの弱さがアルバムの印象を弱いものにしてしまっていたが、今回は初心に帰ったのか、贅肉を削ぎ落とされ、コンパクトに絞り込まれた楽曲の数々は、疾走チューンにしろ、ミドル・チューンにしろ、バラードにしろ、非常に明快でキャッチー。 また、前作から飛躍的に向上したエリック・アダムスの歌メロの充実振りも大きい。特に、活きの良いOPナンバー①、タイトル/歌詞/曲調と、どこを切っても100%MANOWAR印な②、中盤の劇的な曲展開がガッツポーズ物のカッコ良さを誇る⑥、壮大なインスト曲⑧~⑨を経て、ラストを猛スピードで締め括る勇壮な⑩といった楽曲は、その両者の最良の部分が上手い具合に組み合わさった名曲じゃないかと。その他の収録曲も何れも粒揃い。当然捨て曲なし。 個人的には、ロス・ザ・ボス脱退(7th)以降のアルバムでは、この作品が一番好きだな。
Manowar中最もコンパクトな曲が並ぶアルバム、といったところでしょうか 全体的にどことなくロック寄りで、1stの雰囲気に近いかも。 Mountains、Black wind~、Blood of the kings、 The Power of the Thy Swordのような 各アルバムに1曲は入ってた大仰な楽曲が無いのは残念ですが 曲単位では非常に良いものが揃っており、中でも#3, 4, 5, 10辺りがお気に入りです
俺も、このアルバムはそれ以前の彼らの作品に比べて非常に退屈だった。軽い、適度に疾走するメタルチューン、メロディアスながらどうも感情に乏しいバラード。悪くはないが、彼らの作品の中では個人的には最低のデキ。アルバム通して、軽ーくサラサラと流れてく感じ。当時新作を楽しみにして、聴いてとてもガッカリした記憶がある。前作でpower of thy swordやspirit horse of cherokeeみたいな、今すぐ憎いアイツをkillしに行くような楽曲を作った、その反動だろうか。うーん。