例えば、THORNSの「Thorns」やDEATHSPELL OMEGAの「Kenose」「Chaining the Katechon」などの「前衛的で、しかも邪悪」かつ、それを説得力を持って聴かせられる力のある作品って、聴いていると、何か人知の及ばない神秘の深淵に触れているような感覚を味わえるんですよね。この作品も、前作の前衛的な作風を踏まえた上で、更に邪悪さが濃密になったこと、大作を聴き手の集中力を常に惹きつけた状態で聴かせられる作曲能力が備わった事で、上記の作品に通じる、深淵さに触れる感覚を味あわせる力を持ったものに仕上がったのではと思います。