結成に当たっては、後にプロデューサー/ソングライターとして名を馳せるブルース・フェアバーンやジム・ヴァランスといった面々も関わっていた、カナダはバンクーバー出身の老舗ロック・バンドが'78年に発表した、日本デビュー作でもある2ndアルバム。(邦題は『永遠の輝き』) 彼らが大きな成功を収めるのは'79年に発表された3rdアルバム『ARMAGEDDON』以降ですが、内容に関して言えば本作のクオリティも決してそれらに引けを取りません。 何を置いてもまずVoとKey、それに美しいハーモニーを最優先にする、PRISMというバンド名に相応しい煌きを湛えたハードポップ・サウンドは、HR/HMファン的には柔和過ぎて刺激に乏しい音かもしれませんが(これでも彼らのカタログの中ではハードな方なのですが)、親しみ易いポップなメロディに、磨き抜かれたアレンジと歌心を伴った演奏によって形成される楽曲の数々は、問答無用で耳を捉えるサムシングが備わっています。 ジム・ヴァランスがロドニー・ヒッグス名義で提供したBEATLES風アコギ・バラード“YOU'RE LIKE THE WIND”、少女漫画チックに甘やかな“TAKE ME AWAY”、青空へ向かってどこまでも舞い上がっていくような高揚感に心躍る“SEE FOREVER EYES”、そして本編のハイライト、感傷的な泣きメロに満ちたバラード“YOU'RE MY REASON”は、STYX、BOSTON、E.L.O.辺りがイケル口の方なら、知らずに過ごしてはいけない名曲ですよ。