ブラック特有の轟音ギターを用いて情景を描く作風はWOLVES IN THE THRONE ROOMやALCESTに通じますが、あちらのバンドのような清浄さ、美しさは薄く、もっと病的でドラッギーな印象で、その辺りブラック好きの感性に合うかもしれません。新世代のブラックが好きならば聴いておいて損はないと思います。
また、そうして精神が破壊され、抜け殻となってゆく人物を象徴するかのように美しくも儚いストリングス、後半になると現れる浮遊感のある儚いギターも印象的である。 序盤で精神を崩壊させ、最後には諦観の色を強めていくという、アルバム全体でストーリーになっているかのような展開もドラマティック。 ④の歌詞「Not even the dignity of suicide is given to me」や、 ディスクに印字された「生きる事は苦しむ事、生存とは苦痛の内に意味を見出す事」というNietzscheの言葉、 それらが諦観と鬱な結末を示しているようにも思える。