物憂げなイントロから反転攻勢に出るOPナンバー①が、当時『MASTER OF PUPPETS』をリリースして飛ぶ鳥落とす勢いだったMETALLICAからの影響があからさまでちょっと笑う。また硬質なスラッシュ・ビートが怒涛の如く畳み掛ける⑦も秀逸・・・といった具合に、ことほど然様に「スラッシュ風味のパワー・メタル」だった1stに比べ、1歩も2歩もスラッシュ・メタル方向へ踏み込んだ作風に仕上がっている、'88年発表の2ndアルバム。 その一方、前作で既に大作曲に挑むチャレンジ精神を発揮していたバンドゆえ、今回はアレンジや曲展開に凝り、緩急のコントロールを意識する等、より「聴かせる」姿勢も鮮明化。スラッシーな攻撃力と風変わりなメロディとが同居する⑩や、ハムレットをテーマに取り上げた組曲⑪⑫は、そうした彼らの意欲の賜物と言えましょうか。ただそうなると、ハイパーに歌いまくるアラン・テッシオ(Vo)の低~中音域における音程の甘さが気にならなくもないのですが・・・。 ともあれ、これを最後にバンドが解散するとは思えない「やる気」漲る1枚。(まぁ、その後再結成するわけですけどね)