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KENILWORTH (Usher-to-the-ETHER)


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KENILWORTH

2008年発表の3rd。

触りの部分を聴いた感触では、妙に躍動感のあるリズムと、キーボードによるメランコリックなメロディを部分的に取り入れてはいるものの、喋り声をそのまま歪めたようなヴォーカルは弱いし、地味目なブラックなのかな…と思いましたが、途中でヴォーカルがちょっとラップのような歌い回しを付け出したときには耳を疑いました(笑)。あくまで「ラップっぽい」程度ですけど、突然こういう部分が来ると物凄く印象に残る。

他にも、最近のCRADLE OF FILTHの曲のクライマックスで使われそうなギターメロが唐突に登場したり、ゴシック趣味の強い耽美なピアノを大々的に取り入れてみせたり、催眠的なメロディをパーカッシブなリズムに乗せたり、とにかく一筋縄ではいかない展開が多いのが特徴。ただ、キーボードやトレモロリフがメロウなフレーズを弾くパートや、突飛な仕掛けを施したパート以外の部分は、ヴォーカルの殺る気のなさも相俟ってちょっと凡庸に聞こえてしまうかも。

まあ、中世的な上品さが感じられるメロディセンスは素晴らしいと思うし、引っ掛かりのあるパートは本当に魅力的なので、悪いアルバムというわけではないですが。特に10分を超える大作の6曲目、メロウなピアノが良い感じの5、7曲目など、後半に良い曲が多い印象があります。

Usher-to-the-ETHER (2011-10-05 22:41:30)