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Mammal

暗黒性と退廃性を伴ったポスト/シューゲイザーブラックである点は前作と同じだが、前作にはあった清浄感が減衰している印象。
主体となるトレモロの魔的な感触が増し、ブラックメタルが持ちうる暗黒性や陶酔性を更に取り入れたアルバムとなっている。
①の夢想的なトレモロの長大なリフレイン等はWeaklingに、③の中心を占めるアルペジオのリフはDSOに似ている…と、
独自の暗黒性を放つブラックメタルの先達のツールも上手く取り入れつつ、相変わらずの優れたポスト/シューゲイザーブラックを披露している。

ポスト/シューゲイザー要素としては、クリーンギターによる儚いメロディやメロディックなトレモロも使われてはいる。
だが、希望を感じさせるというよりかは寂寥感や神秘性を醸し出し、暗黒性との対比というよりかは、暗黒性の一部をなしている。
そのため、このバンドの魅力だと思っているポスト/シューゲイザーと暗黒性の両立が更に引き立った作品として、前作以上に気に入った作品である。

気に入り度…95/100

おすすめ…Neptune Is Dead

netal ★★★ (2016-02-07 15:19:56)


Through the Collapse: Gentian Truth / White Tomb
奇怪なトレモロのイントロで始まり、アンビエントから徐々にフェードインして、ミドルテンポの中神々しいトレモロを浴びせ続けるパートへ。
最後は、全てのネガティヴな感情を鎮圧するかの様な静パートで締める。

netal ★★ (2015-11-23 17:12:25)


Through the Collapse: Watchers Restrained / White Tomb
初っ端からCastevetの様な荒々しいトレモロで攻め立てるダイナミックな曲。
…と見せかけて2分50秒から精神を圧迫された様な、歪んだヴォーカルがえぐいスラッジパートに突入し、最後は出口無き暗闇を彷徨うようなインストで終わる暗黒性強めの曲。

netal ★★ (2015-11-23 17:11:26)


Earth: As a Furnace / White Tomb
1曲目の流れを汲み、途中で高めのスクリームを披露する等、激情性を高めている。
8分辺りから入るアンビエント調のパートも、トレモロ等のフェードインによってドラマティック。

netal ★★ (2015-11-23 17:10:53)


Earth: As a Womb / White Tomb
一聴して名曲確定の神々しいトレモロリフが印象的で、リフ自体に特に工夫が無いながらも、逆にメロディの良さが際立つ様に感じた。
テンションが引くパートにおいても、流れを切らずに敢えて荒々しさを残すことで曲全体の神々しさをキープしている。

netal ★★★ (2015-11-23 17:10:19)


White Tomb

ポスト/シューゲイザーブラックのお手本のような煙たいプロダクション、
攻撃性は強めながら、邪悪さや寒々しさではなく、神々しいトレモロが放つ退廃的な美を主体とする作品。
例えば、③において初っ端からCastevetの様な荒々しいトレモロで攻め立ててから、精神を圧迫された様な歪んだヴォーカルがえぐいスラッジパートに突入したり、
アンビエント調のパートも少なくなかったりするが、小細工なしの上質のトレモロの雰囲気が素晴らしい。
メロウさを適度に抑え、アトモスフィアと攻撃性を上手くマッチさせているのが気に入った点である。

しかも、それだけでなく、アンビエントパートもトレモロ等のフェードインによってドラマティックに仕上げたり、
テンションが引くパートにおいても、流れを切らずに敢えて荒々しさを残すことで曲全体の神々しさをキープしたりしているなど、
曲展開の面でも飽きさせないアイディアがある。
その御蔭で、4曲50分強という長さも苦にならない。

奇を衒わず、飽くまでトレモロの美やダイナミクス等ブラックのツールのクオリティに拘った、良質のポスト/シューゲイザー系ブラックであり、
WITIR等この手のブラック好きは聴いておくとよいだろう。

気に入り度…93/100

おすすめ…Earth: As A Womb

netal ★★★ (2015-08-26 21:37:11)


White Tomb

シューゲイザー・ブラック/ポストメタルバンドの1ST。
曲の果てしない長大化はダーク・アンビエント成分が大量に含まれていることに他ならない。まあ、ポストメタルはみんなそうだよね。
Alcestなどと違ってこのバンドのアグレッシブなパートはガチです。トレモロは迫力があるし、ウギャアアアアアアアって叫ぶボーカルも説得力抜群。
個人的には、ここまで曲をアンビエントで膨らませる必要はあるのかちょい疑問なので評価は頭打ちだなー。個性派が好きでしょうがないような人向け。

ですら (2011-12-29 10:36:58)


White Tomb

2009年発表の1st。

よく比較されている通り、轟音で鳴らされるギターリフの中に繊細なメロディを施し、カタルシスを感じさせるような作風は、WOLVES IN THE THRONE ROOMやFARSOTなどのシューゲイザー/ネイチャー系のブラックと似た路線ですね。但し、WOLVES~が自然崇拝、ALCESTがノスタルジー、LIFELOVERがアーバニズムなど、シューゲイザー/ポストブラックが一般的なブラックとは一線を画す情景を描こうとするのに対し、このバンドの描く世界観はしっかりと暗黒メタルしてます。

ドラムがダイナミックに攻撃性を演出したり、ギターが重々しい轟音で耳を聾したりといったパートもあり、他のシューゲイザー系よりも大分攻撃性も強い印象。儚いメロディと、病的で鬱屈した、ディプレッシブなフレーズを交互に繰り出し、聴き手を翻弄しつつ深みに誘うようなパートは、他のバンドには見られず、このバンドの感性の本領発揮という感じでしょうか。

ただ、一部パートで他のバンドの音楽性を咀嚼せず、そのまま取り入れたような所があるんですよね。3曲目の被拷問絶叫と緊張の糸が張り詰めたようなスラッジリフで聴かせるパートはモロにKHANATEっぽいし、所々で聴ける高音トレモロはKRALLICEっぽい。しかし、これはマイナスな訳ではなく、3曲目後半(KHANATE風)でドロドロに引きずり、4曲目の激情的な展開(一部KRALLICE風)を聴かせる構成は、アルバムの進行をドラマティックにしていると思う。

全体としては、個人的にシューゲイザー系の中では最も聴きやすかった作品なんですよね。他バンドからの影響も作風の流れの一部としてしっかり機能させているし、私としては暗黒趣味がこのくらい濃い方が浸りやすい。ALCESTがメロウ過ぎて駄目な人でも聴ける地下臭さがある作品だと思います。

Usher-to-the-ETHER ★★★ (2011-05-10 05:50:57)