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1. Usher-to-the-ETHER ★★★ (2011-08-06 19:17:56)

2011年発表の5曲入りEP。
EPにしてはフルアルバムと同じくらいの値段だったんですけど、店頭で聴いて余りにも素晴らしかったので即買いしてしまいました。

端的に言えば、叙情的トレモロで曲全体を覆い尽くした、超メロディ重視型のブラックメタルという感じですが…KRALLICEやLITURGYなど、この手のトレモロ偏重なブラックってブラックメタル本来の価値観を逸脱していく傾向が強いのに対し、このバンドはメロディック・ブラックであることを確固として守りつつ、その上でトレモロリフに拘り抜いている感じ。

例えていうなら、DISSECTIONやNAGLFARの、トレモロリフを用いた、寒々しいパートのみを抜き出して、曲を構成したような感じでしょうか。何気に緩急の付いた曲作りや、一瞬リズムを引かせてタメを作った後の超メロウな疾走など、展開にエクストリームメタルならではのダイナミズムがしっかり息づいている辺り、本当に素晴らしいセンスだと思う。

メタリックさではDISSECTIONやNAGLFARに流石に一歩譲りますが、その代わりメロウさに特化している感じですね。そのメロディも中世的な暗い耽美さがある、非常に上品なもので個人的には大悶絶。これはブラック愛好家ならずとも、メロディックなメタルを愛する全ての人に聴いていただきたい逸品。メロディが本当に良いので、ブラックへの入門にも良いかもしれません。



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