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THE TENANT (2010年)
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THE TENANT
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解説 - THE TENANT
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1. Usher-to-the-ETHER ★★★ (2011-05-16 17:44:14)

2010年発表の4th。

Profound Loreから出てる事からも分かるとおり、敢えて本道を外れるタイプの、実験精神あるブラックメタルを展開する作品ですね。マッシブなミディアムテンポに儚げなメロディを絡めたり、パーカッシブなリズムにアルペジオを乗せたり、リフとリズムの岩が転がるような、荒々しい絡みが合ったり、曲によって色々な表情を見せてくれるアルバムですが、全体として邪悪さや陰鬱さより、幽玄さや儚さが強く、シューゲイザー系好きな人も気に入りそう。

この手の音楽性を持ってるバンドって、どこまで具体的に表現してどこまでリスナーの想像力に委ねるかの按配が結構重要だったりしますが、この作品はそのバランス感覚がかなり取れてると思う。全体的に抽象的なムードではあるんですが、メロディはメロデス的といっても良い位の泣きがあって、入っていきやすいと思う。

作風が作風だけに、メロブラなんかと比べるとトレモロの頻度こそ少ないですが、2曲目や6曲目で聴けるトレモロ疾走は、メロディセンスの素晴らしさと相俟ってメロブラ好きなら悶絶もの。また、ヴォーカルや女性らしいですが、バンシーを思わせる獰猛な絶叫、幽鬼系クリーンヴォイスなど、しっかり女性らしさを世界観に活かしていて良い感じです。

確かに実験的な要素の強いブラックではありますが、一見のリスナーに対しても決して頭でっかちや自己満足に聴こえさせない、良い意味での聴きやすさのある作品だと思います。



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