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1. Usher-to-the-ETHER ★★ (2011-02-15 01:13:06)

2010年発表の1st。

一概に、メロデスともメタルコアとも言えない、独特な音楽性ですね。
グルーヴ重視のリフにメロいリードを絡め、基本ブラック寄りの絶叫ながらコーラスパートではクリーンも使うヴォーカルを乗せたスタイルは、メロデスやメタルコアに近いものですが…このバンドは、そこにサイバーなトランス風のキーボードを大々的にフィーチャーしているのが最大の特徴。

その音色が、ただ現代的なだけではなくて、幽玄さ、非現実性、スペイシーな感覚なども生んでいるのが、素晴らしいと思う。その感覚は同じく抽象的ムードを醸し出すリードギターのメロディと交じり合う事で、更に強くなってます。決して取っ付きにくくはないのに、プログレッシブな、もしくはポストメタル的な感触のある音。

ただ、クリーンが普通のハードロック風で、ブラックのような畏怖を感じさせるものでない事と、全体的に小粒に纏まってる気がするのは不満かも。特に後者、何故か日本盤ボートラで、一番古い曲のはずの「Forfeiture」が一番出来がいいのは少々マズいのではと思う。この曲はカオティックなリフとトランスのリズム、美しいピアノを取り入れたインパクト抜群な名曲なのに、進化と洗練の結果本編の(この曲と比べて)小粒な作風になったとしたら、ちょっと進化の方向が良くない方に行ってる気も。

とは言っても、取っ付きやすさ、独自性、クオリティの観点からいっても文句の無いアルバムである事は確か。ぶっちゃけ某所で投げ売られてたのをサルベージしてきただけなんですが、かなり楽しめてしまいました。



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