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Halfway to Nowhere

ロシア産。SolitudeProductionではスラッジとして紹介されており、そのスタイルは確かにスラッジとも言えるが、重量級で掻き毟るような感じではなく、一言では語れない奥深い独創的な感じだ。
リズム隊が抜群の安定感で、芯のある低音をクリアに聴かせ、ドゥーミーというよりは比較的ミドルテンポで様々なリフに展開させる感じ。
派手に聴かせるコマーシャルなところが全くなく、荒々しさや凄み・重さは控えめで、相当地味なスタイルで、ヴォーカルも必要最小限。メロディや理に叶ったコード進行というのも見当たらない。
だから聴き手を随分選ぶ音だと思うが、音へのこだわり・演奏力は相当のもので、淡々と地味だからこそ表現できる冷たい緊張感がある。
それでいて、ドラムのリフ回しの多彩さや、単調なリフながらもそこに見え隠れする細部への気遣いが、聴き手を没頭させる。
知的・硬派・クールという言葉がしっくりくる感じ。冷たく静かなる迫力というか、なんとも玄人臭が漂う稀少な作品。
説明しづらいが、この控えめな空気・緊張感はグレンダンジグに近く、そこから魔性を無くした感じだろうか。
このレーベルのアーティストはレベルが高いなあとは思っていたが、この作品は只事ではないな。
地味すぎて日本ではまず売れない音で、コマーシャルを一切排除した内容なので、マニア向けだろうと思うが、個人的にこういう音を理解してくれるメタラーがいるとホント嬉しい。

Kamiko ★★ (2009-01-15 01:33:00)